戦場に
執着
する者
〜 Devotion in Battlefield〜
1
全ての始まりは血生臭い戦場から
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2
矢が飛び交う中
3
それは疾風のように
4
声と共に浴びせられたものは
5
見据える視線は鋭く
6
走る、衝撃
7
交わる刃
8
残ったものは面影と、
9
微かな痛み
10
煙の向こうに
11
血で滑る指先
12
剣と盾
13
刹那の交わり
14
胸の中でざわつくもの
15
不快感を胸に
16
手に馴染んだ重さ
17
生温い風
18
乱れる呼吸とは裏腹に
19
冴える感覚
20
この先に何を見る
21
少しずつ積み重なるのは、死か業か
22
手にした得物の重さ
23
忘れてはいけないこと
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24
何かを守るために奪っている
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25
折り重なって倒れるもの
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ひやりとした感覚、それは
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滴り落ちるものの正体
28
目を背けないと
29
かなしい、なんて思ってはいけない
30
言葉に出来ない想いを刃に変えて
31
宿命というもの
32
光と影の狭間
33
ただ、無力で
34
願うことは愚かなものばかり
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35
主のため
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偽りの中に
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より一層遠退いてしまう
38
膝をついている時間などないのに
39
手を取り合って行くことが出来れば、
40
逃げることなど出来る筈もなく
41
手が届く範囲にいるのに、
42
あともう少しが踏み出せないまま
43
過ぎ去る影を見つめることしか出来ない
44
腕を伸ばしてみても
45
空を切るだけで
46
こみ上げる言葉も音にならず
47
息が詰まる
48
捕らえることが出来たらいいのに
49
そうすれば、この胸の痛みも
50
願いは、いつも儚く消えて
51
一瞬の邂逅
52
悲鳴も血も死体も
53
何もかもが埋め尽くされてしまう
54
傷跡がいつまでも疼く
55
貫くもの
56
夕闇の中に落ちて
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まるで墓標のよう
58
どうすることも出来ない
59
虚無が支配する世界
60
そうして、密かに願う
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目を背けても、現実は何時だって残酷で
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刹那の恋情
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63
やがて、消え失せると知っていても
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願うことを止められなかった
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65
足掻いてもそれは意味のないこと
66
つめたい躯
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指先からすこしずつ染め上げられて
68
見開かれた目を直視できずに
69
たったひとりでどうすればいいの
70
泣かないで、さあ、前を
71
押し殺すことは簡単だ
72
背負ったものの重さ
73
すべてを恨んでも
74
冷たくなるだけの未来が待ってる
75
溢れる涙を堪え
76
何も感じなくなる前に
77
証
78
すこしずつ腐っていく
79
ここでしか生きていけないの
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80
いっそ、あなたの手で仕留めて
81
掴み取る手は血に濡れて
82
怖いのは死ぬことではなく
83
あなたが嗤う、刃の向こうで
84
どれほどまでに哀しくとも
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85
覚悟を、
86
内なる悲鳴を殺し
87
震える手に力を込めて
88
ささやかな想いは掻き消されてしまうだけ
89
黄昏の向こう側にあるものなど知らないまま
90
唯ひとつ、残ればいい
91
月を穿つ覚悟
92
さいごのときは思い出して
93
嘆いたってどうにもならない
94
骸の海に
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柔肌に食い込む
96
爪先から伸びる、赫い道
97
引き攣るような痛みに耐え
98
星は掴めないまま
140314 辰馬
99
花と共に沈め
100
闇へと拱く手が、
title@追憶の苑 "戦場での執着で100題"